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角打ちとは?4つの楽しみ方や独特なルール・マナーも紹介

角打ちとは

角打ちとは、酒屋の店内で立ち飲みができるスタイルのことです。

最近では若い世代にも人気が広がり、全国各地で角打ちを楽しむ人が増えています。

「角打ちって聞いたことはあるけど、実際どんなものなの?」「立ち飲みとは何が違うの?」

そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

角打ちには独特の魅力があり、手軽に楽しめることや、お酒好きとの交流ができることなどからお酒好きにはたまらない文化として根付いています。

この記事では、角打ちの基本から魅力、楽しみ方まで詳しく解説していきます。

目次

角打ちとは?基本を解説

角打ちは、酒屋の店内に設けられたスペースで、購入したお酒をその場で飲めるスタイルのことを指します。

酒屋さんの片隅で、仕事帰りのサラリーマンが一杯やっている光景を見かけたことはありませんか?それがまさに角打ちです。

角打ちの名前の由来

角打ちという名前の由来には、いくつかの説があります。

最も有力な説は、升(ます)の角に口をつけて日本酒を飲む様子から来ているというものです。

昔の酒屋では、量り売りで日本酒を販売していました。お客さんは升で計ったお酒をその場で飲むことが多く、升の角から直接飲む姿が「角打ち」という名前の起源になったと言われています。

もう一つの説として、酒屋の店内の角(すみ)で飲むことから「角打ち」と呼ばれるようになったという話もあります。

立ち飲みとは何が違うのか

角打ちと立ち飲みは似ているようで、実は明確な違いがあります。

項目角打ち立ち飲み
場所酒屋の店内飲食店(居酒屋など)
主な目的酒の販売がメイン飲食の提供がメイン
料理簡単なつまみ程度充実したメニュー
営業許可酒類販売業免許飲食店営業許可

角打ちの最大の特徴は、あくまでも酒屋での酒販売が主体という点にあります。

立ち飲み屋は飲食店として営業しているため、料理メニューも豊富です。一方で角打ちは、缶詰や乾き物といった簡単なつまみが中心となります。

角打ちが持つ意味

角打ちには、単なる飲酒スペース以上の意味があります。

地域のコミュニティスペースとして、近所の人たちが集まる憩いの場になっているケースが多いんです。常連さん同士の交流が生まれやすく、地域の情報交換の場としても機能しているのが特徴です。

また、酒屋にとっては試飲の場としての役割も果たしています。

お客さんは気になるお酒を少量から試せるため、購入前の確認ができるというメリットもあるでしょう。

角打ちが生まれた地域

角打ち文化の発祥地は、北九州市とされています。

明治時代から昭和初期にかけて、八幡製鉄所で働く労働者たちが仕事帰りに一杯やる場所として、酒屋での立ち飲みが定着しました。

特に福岡県北九州市は「角打ちの聖地」と呼ばれるほど、今でも多くの角打ちスポットが残っています。

その後、関西地方や東京にも角打ち文化が広がり、現在では全国各地で楽しめるようになりました。

地域ごとの呼び名の違い

角打ちという呼び方は主に九州で使われていますが、地域によって異なる呼び名があります。

  • 関西地方:「立ち呑み」「立ち飲み」
  • 東京:「角打ち」または「立ち飲み」
  • 東北地方:「もっきり」
  • 中部地方:「立ち飲み」

東北地方の「もっきり」は、升にお酒を注いで飲むスタイルを指す言葉です。

呼び名は違っても、酒屋で気軽にお酒を楽しむという文化は共通しています。地域ごとの呼び方の違いも、角打ち文化の面白さの一つと言えるでしょう。

角打ちが持つ魅力

角打ちには、普通の居酒屋にはない独特の魅力があります。

気軽さと自由度の高さが人気の理由ですが、それだけではありません。ここでは角打ちならではの4つの魅力を紹介しましょう。

①手軽に楽しめること

角打ちの一番の魅力は、なんといってもその手軽さです。

予約も必要なく、ふらっと立ち寄って一杯だけ飲んで帰ることができます。仕事帰りに「ちょっと一杯」が5分もあれば実現できるのが角打ちの良さでしょう。

料金も明確で、お酒は店頭価格そのままで飲めるケースがほとんどです。

居酒屋のようなテーブルチャージもありませんし、お通し代もかかりません。財布にやさしく、気軽に楽しめるのが角打ちの大きな魅力なんです。

②時間を気にせず飲めること

角打ちでは、時間制限を気にする必要がありません。

居酒屋のような2時間制などの縛りがないため、自分のペースで楽しめます。一杯だけサクッと飲んで帰るもよし、じっくり何杯か楽しむもよし、その日の気分で決められるのがいいところです。

昼間から営業している酒屋も多く、休日の昼下がりに角打ちを楽しむ人も増えています。

時間を気にせず、マイペースで過ごせる空間は、忙しい現代人にとって貴重な癒しの場となっているようです。

③お酒好きとの交流ができること

角打ちは、お酒を愛する人たちが自然と集まる場所です。

カウンターや立ち飲みスペースで隣り合わせになった人と、お酒の話で盛り上がることもよくあります。「このお酒、美味しいですよ」なんて声をかけられて、初対面でも気軽に会話が始まるのが角打ちの面白さです。

常連さんから地元の情報を教えてもらったり、お酒の知識を学んだりすることもできます。

世代や職業を超えた交流が生まれやすく、新しい出会いや発見があるのも角打ちならではの魅力でしょう。

④飲み比べしてから購入できること

角打ちは酒屋で行われているため、気に入ったお酒をその場で購入できます。

実際に味わってから買えるので、失敗が少ないのがメリットです。複数の日本酒を少量ずつ試して、好みの一本を見つけるという楽しみ方もできます。

飲み比べのメリット具体例
購入前に味を確認高価な日本酒も安心して買える
複数銘柄の比較似た価格帯の商品を飲み比べられる
季節限定品の確認期間限定商品を試してから購入判断
プロのアドバイス店主のおすすめを実際に試せる

店主やスタッフから直接お酒の説明を聞きながら飲めるのも、角打ちの良いところです。

自宅用はもちろん、贈り物を選ぶ際にも役立つでしょう。

角打ちの楽しみ方

角打ちを初めて利用する人は、どんなふうに楽しめばいいか戸惑うかもしれません。

基本的なマナーや楽しみ方を知っておけば、もっと角打ちが身近になるはずです。ここでは角打ちデビューに役立つポイントを紹介します。

角打ちでのマナー

角打ちには、暗黙のルールやマナーがあります。

まず大切なのは、長居しすぎないことです。限られたスペースで営業しているため、混雑時は譲り合いの精神が大切になります。

  • 大声での会話は控える
  • グラスや升は丁寧に扱う
  • ゴミは指定の場所に捨てる
  • 他のお客さんとの距離感を保つ
  • 酔いすぎに注意する

角打ちは地域に根ざした場所なので、常連さんへの配慮も忘れずに。

初めてのお店では、まず店主に挨拶をして、分からないことは素直に聞くのがおすすめです。

基本は現金前払い制

角打ちの支払いシステムは、基本的に現金前払いです。

お酒を注文したら、その場で代金を支払います。店頭価格がそのまま飲み代になることが多く、明朗会計なのが特徴です。

最近ではキャッシュレス決済に対応している店も増えていますが、念のため現金を用意しておくと安心でしょう。

つまみを頼む場合も同様に、注文時に支払うケースがほとんどです。会計でもたつかないよう、小銭も準備しておくとスマートに楽しめます。

お店の人のおすすめを楽しむ

角打ちの醍醐味は、店主との会話にあります。

「今日のおすすめは?」と聞けば、季節の限定酒や入荷したばかりの新商品を教えてくれるでしょう。プロの目利きで選ばれたお酒との出会いが、角打ちの楽しみの一つです。

好みの味を伝えれば、ぴったりの一本を提案してもらえます。

「辛口が好き」「フルーティーなものがいい」など、遠慮なく希望を伝えてみましょう。店主との会話から、お酒の知識も自然と身についていきます。

現代版の角打ち「ネオ角打ち」とは?

最近では、従来の角打ちスタイルを現代風にアレンジした「ネオ角打ち」が話題になっています。

おしゃれな内装や充実したフードメニューが特徴で、若い世代や女性客にも人気を集めています。

項目従来の角打ちネオ角打ち
内装昔ながらの酒屋スタイルモダンでおしゃれな空間
客層中高年男性が中心若者や女性も多い
フード缶詰や乾き物手作り料理も提供
営業時間夕方中心昼から夜まで幅広く

ネオ角打ちは、角打ち文化を次世代に繋ぐ新しい形として注目されています。

SNS映えする店内や、クラフトビールを扱う店も登場し、角打ちの可能性が広がっているんです。

よくある質問

角打ちについて、よく寄せられる質問をまとめました。初めて角打ちを利用する方の参考になれば幸いです。

角打ちの読み方を教えてください。

角打ちは「かくうち」と読みます。

地域によっては「かどうち」と呼ぶ人もいますが、一般的には「かくうち」が正しい読み方とされています。

角打ちと立ち飲みの違いは何ですか?

角打ちは酒屋での立ち飲み、立ち飲みは飲食店での立ち飲みです。

角打ちは酒の販売がメインで簡単なつまみ程度ですが、立ち飲み屋は料理メニューも充実しています。

大阪や札幌にも角打ちの文化はありますか?

はい、大阪や札幌にも角打ちを楽しめる店があります。

大阪では「立ち呑み」と呼ばれることが多く、札幌でも最近は角打ちスタイルの酒屋が増えています。

角打ちはどこの言葉で、どんな由来がありますか?

角打ちは北九州発祥の言葉で、升の角から酒を飲む様子が由来とされています。

明治から昭和初期にかけて、八幡製鉄所の労働者たちの間で広まった文化です。

角打ちのルールやマナーを教えてください。

基本は現金前払い制で、長居しすぎないことが大切です。

混雑時は譲り合いの精神を持ち、大声での会話は控えるなど、他のお客さんへの配慮を忘れずに楽しみましょう。

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