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ひれ酒とは?合う日本酒や美味しく飲む方法まで紹介

ひれ酒とは?

ひれ酒とは、魚のひれを炙って熱燗に入れた日本の伝統的なお酒です。

香ばしい香りと独特の風味が特徴的なひれ酒は、寒い冬の夜にぴったりの一杯です。

ひれ酒といえばふぐのひれを使ったものが有名ですが、実は他の魚でも作ることができます。

自宅でも意外と簡単に楽しめるので、日本酒好きの方にはぜひ挑戦してほしいお酒です。

この記事では、ひれ酒とはどんなお酒なのか、使う魚の種類から自宅での作り方、おすすめの料理まで詳しく解説していきます。

目次

ひれ酒に使うひれはどんな魚?

ひれ酒といえば、ふぐのひれを思い浮かべる方が多いですが、実はふぐ以外にもさまざまな魚のひれでひれ酒を楽しむことができます。

それぞれの魚によって風味や香りが異なるので、好みに合わせて選ぶのがおすすめです。

ひれ酒に使う魚は、白身魚が基本です

ふぐが最も有名ですが、鯛やヒラメ、カレイなども美味しいひれ酒になります。青魚のひれは生臭さが出やすいため、あまり向いていません。

魚の種類特徴
ふぐ香ばしく上品な味わい
甘みがあり飲みやすい
ヒラメ淡白でクセがない
カレイやや濃厚な旨み

魚を選ぶときは、新鮮なものを使うことが大切です。

特に脂の少ない魚ほど、ひれ酒にしたときの香りが良くなります。市場や魚屋さんで、ひれ酒用と伝えれば適した魚を教えてくれるでしょう。

ひれ酒用のひれの作り方と気をつけるポイント

ひれ酒用のひれは、しっかりと乾燥させることが重要です。

まず魚のひれを切り取り、塩水で丁寧に洗って血や汚れを落とします。その後、キッチンペーパーで水分を拭き取ってから乾燥作業に入ります。

乾燥方法は天日干しが基本ですが、オーブンを使う方法もあります。

  • 天日干し:風通しの良い場所で3〜5日間干す
  • オーブン:100度で1〜2時間じっくり乾燥させる
  • 電子レンジ:短時間で乾燥できるが焦げやすいので注意

乾燥が不十分だと、ひれ酒にしたときに生臭さが残ってしまいます。

完全に乾燥したひれは、密閉容器に入れて冷暗所で保管しましょう。

ひれ酒を自宅で楽しむための作り方

ひれ酒は居酒屋だけの楽しみではありません。コツさえつかめば、自宅でも本格的なひれ酒を作ることができます。

必要な材料は、乾燥したひれと日本酒、そして火をつけるためのマッチかライターだけで、手順を守れば香ばしく美味しいひれ酒の完成です。

ひれは乾燥させたものを選ぶ

ひれ酒作りで最も大切なのは、完全に乾燥したひれを使うことです。

生のひれや半乾きのものでは、生臭さが残ってしまいます。市販のひれ酒用ひれを購入するか、自分で作った乾燥ひれを用意しましょう。

良いひれの見分け方は、触ったときにパリッとした感触があることです。

色は薄い茶色から濃い茶色で、カビや変色がないものを選びます。保存状態が悪いと風味が落ちるので、購入後は密閉容器で保管することが大切です。

ひれを炙る

ひれを炙ることで、香ばしさが格段にアップします。

炙り方は、直火で焼く方法とオーブントースターを使う方法があります。直火なら中火で片面15〜20秒ずつ、きつね色になるまで焼きましょう。

炙り方法時間注意点
直火(ガスコンロ)片面15〜20秒焦がさないよう注意
オーブントースター3〜5分アルミホイルを敷く
魚焼きグリル2〜3分弱火で様子を見ながら

焦がしてしまうと苦味が出るので、目を離さないようにしましょう。

炙ったひれからは、海の香りが立ち上ってきます。この香りが、ひれ酒の美味しさの決め手になるのです。

日本酒は熱燗より熱くする

ひれ酒用の日本酒は、普通の熱燗よりも高い温度まで温めます。

目安は80〜90度。沸騰直前まで温めることで、ひれの旨みがしっかり抽出されます

温め方は湯煎がおすすめです。鍋にお湯を沸かし、徳利に入れた日本酒を5〜7分ほど温めましょう。

電子レンジを使う場合は、600Wで1分30秒から2分が目安になります。ただし、温度ムラができやすいので注意が必要です。

日本酒の量は、ひれ1枚につき150〜180mlが適量でしょう。

火をつけてアルコール分を飛ばす

ひれ酒の仕上げは、アルコールに火をつける工程です。

炙ったひれを器に入れ、熱々の日本酒を注いだら、すぐにマッチで火をつけます。青い炎が上がり、5〜10秒ほど燃やすとアルコールが飛んで飲みやすくなります

  • 火をつける前に周りに燃えやすいものがないか確認
  • 炎が大きくなりすぎたら、ふたをして消火
  • 子供やペットから離れた場所で作業する

火が消えたら、ひれ酒の完成です。

香ばしいひれの香りと、まろやかになった日本酒の味わいを楽しめます。やけどに注意しながら、熱いうちにいただきましょう

ひれ酒の香ばしい風味は、さまざまな料理と相性抜群です。

特に和食との組み合わせは絶妙で、お互いの味を引き立て合います。ここでは、ひれ酒と一緒に楽しみたい料理を紹介しましょう。

魚を使った料理

ひれ酒には、やはり魚料理がよく合います。

刺身や焼き魚はもちろん、煮付けや天ぷらも相性抜群。特に白身魚の刺身は、ひれ酒の香りを邪魔せず楽しめます

ひれ酒に合う魚料理
  • ヒラメの薄造り:淡白な味わいがひれ酒を引き立てる
  • 鯛の塩焼き:シンプルな味付けで相性良好
  • カレイの煮付け:甘辛い味とひれ酒のコントラストが楽しめる

焼き魚なら、大根おろしを添えるとさっぱりいただけます。

野菜を使った料理

野菜料理も、ひれ酒のお供として外せません。

季節の野菜を使った天ぷらや、根菜の煮物はひれ酒の旨みとよくマッチします。素材の味を活かしたシンプルな調理法がおすすめです。

料理名おすすめポイント
なすの揚げ浸しだしの旨みとひれ酒が調和
里芋の煮っころがしほっこりした食感が◎
菜の花のお浸しほろ苦さがアクセントに

漬物や酢の物も、口直しとして重宝します。

卵を使った料理

意外かもしれませんが、卵料理もひれ酒によく合います。

だし巻き卵や茶碗蒸しなど、優しい味わいの料理がひれ酒の個性を活かしてくれます。温かい料理同士の組み合わせで、体も温まるでしょう。

特におすすめなのは、ふわふわのだし巻き卵です。

甘めの味付けにすると、ひれ酒の香ばしさとのバランスが絶妙になります。また、温泉卵を添えた料理も、まろやかな味わいで相性が良いでしょう。

ひれ酒に向いている日本酒の種類

ひれ酒を作るとき、どんな日本酒を選べばいいか迷う方も多いでしょう。

実は、ひれ酒には向き不向きがあります。温めても美味しさが損なわれない種類を選ぶことが、美味しいひれ酒作りの秘訣です。

本醸造酒は燗酒にしても美味しさが保たれる

本醸造酒は、ひれ酒に最適な日本酒のひとつです。

アルコールを少量添加しているため、高温に温めてもバランスが崩れにくいという特徴があります。すっきりとした味わいで、ひれの風味を邪魔しません。

価格も手頃なものが多く、普段使いにぴったりです。

辛口の本醸造酒を選べば、ひれの香ばしさがより際立ちます。アルコール度数は15度前後のものがバランスよく仕上がるでしょう。

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純米酒は温めることで旨みが引き立つ

米と米麹だけで作られた純米酒も、ひれ酒におすすめです。

温めることで米の旨みが増し、ひれの風味と絶妙にマッチします。特に、酸味のある純米酒は、ひれ酒にすると味に深みが出ます。

日本酒の種類ひれ酒への向き不向き理由
本醸造酒高温でも味が安定
純米酒温めると旨みアップ
吟醸酒香りが飛びやすい
大吟醸酒×繊細な味が損なわれる

吟醸酒や大吟醸酒は、冷やして飲むことを前提に作られています。

高温にすると繊細な香りが飛んでしまうため、ひれ酒には向きません。もったいないので避けたほうが無難でしょう

よくある質問

ひれ酒について、多くの方が疑問に思うポイントをまとめました。初めて作る方も、これらの質問と回答を参考にしてみてください。

ひれ酒のひれは食べることができますか?

ひれ酒のひれは食べられますが、カリカリに乾燥しているため硬いです。

香りを楽しむためのものなので、無理に食べる必要はありません。

ヒレ酒の正しい読み方を教えてください。

「ひれざけ」と読みます。

漢字では「鰭酒」と書きますが、ひらがなやカタカナで表記されることが多いです。

ひれ酒を作るときの火のつけ方を教えてください。

熱い日本酒を注いだら、すぐにマッチやライターで液面に火を近づけます。

アルコール度数が高いほど火がつきやすいので、慎重に行いましょう。

ひれ酒の度数はどのくらいになりますか?

火をつけることで2〜3度ほどアルコール度数が下がります。

15度の日本酒なら、12〜13度程度になると考えてよいでしょう。

ひれ酒にマッチで火をつける理由を教えてください。

マッチの方が火の調整がしやすく、安全に着火できるからです。

ライターでも問題ありませんが、熱で手を火傷しないよう注意が必要です。

ひれ酒に合う日本酒の種類を教えてください。

本醸造酒や純米酒が最適です。

高価な吟醸酒は香りが飛んでしまうため、もったいないので避けましょう。

ふぐ以外でひれ酒を作ることはできますか?

鯛やヒラメ、カレイなどの白身魚なら美味しいひれ酒が作れます。

青魚は生臭くなりやすいので、白身魚を選ぶのがポイントです。

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